小さな想いと変わる世界【成恵の世界】

今更「成恵の世界」という漫画を読破した。
何故今まで読まなかったのかと後悔するほどワンダーに溢れたSF作品だった。
何がここまで心をひきつけたのかを考えた時、過去に面白いと感じた作品との共通点がおぼろげに見えてきたので書き出してみよう。

 

細かい部分は割愛し、今回のテーマに必要な部分のあらすじは

主人公の和人は成恵に告白するが、彼女は自分が宇宙人だという。
それでもいいのならという条件で付き合う二人の周りには普通じゃない出来事が次々起こる。
初期はそういった二人の周りで起こる騒動が単発で描かれる。
中盤になるとSF設定を活かした世界の広がりが見えてくる。地球外では何が起きているのか、地球との関係の変化とそれが二人に与える影響が描かれる。
クライマックスへと向かう後期では、中盤で広がった作品世界の構造が大きく変化するが、初期から描かれてきた二人の想いがその世界の運命を左右する。

 

最初に小さな世界での個人的な想いがあり、(1)
その後世界が広がり、(2)
世界の運命が動き、(3)
最初の想いでそれが解決する。(4)

 

この中心の要素だけでは昔からよくあるものなのでこれは最低条件で、これに(2)~(3)の部分の設定の作りこみとジャンルの好みが合致したときに、私に刺さるものになるのかと思う。