School Days(スクールデイズ) アニメ版

 「誠4ね」や「Nice Boat」のミームが有名な深夜アニメで、原作はPCのR18ゲーム。
最終話のショッキングシーンはネットで拡散していた動画で見かけていたが、通しで視聴したのは初。

 

 主人公の誠がヘイトを集めるのも仕方ないと思える、清々しいほどのクズっぷり。
誠自身が原因の問題も多いし、ヒロインなど他人が発端の問題も誠が絡むことで最悪の事態へと転がっていくのは見事としか言いようが無い。
なのでこの作品で主人公に感情移入できる人間はほとんどいないだろう。
だが、それをもって駄作や失敗作と評価できないのが面白い。
誠ではなく、世界や言葉や他のサブヒロインなどの視点で見た場合、誠という災厄に見まわれた悲劇として心を揺さぶられる。
最終回では、ここまで追い詰められた世界と言葉の心情に感情移入してしまって、バイオレンスなシーンなのに涙があふれてきた。

 

余談
「エロゲ三大クズ」などで、この誠と「君が望む永遠」の孝之があげられているが、それは人間の心理を理解できず、ヒロインが不幸になっているという表層でしか判断できてない浅い考えだと言わざるを得ない。
誠の行動原理は”少しでも面倒だと感じたら、楽なほう・気持ちいいほうにすぐに逃げ込み、相手がどうなろうと無視”というもので、孝之は”相手を思いやりすぎてどうしていいか解らなくなり動けなくなる”という正反対の気持ちからの行動である。
(あくまでメインルートでの話であり、バッドエンドやサブキャラルートでの強引な展開は除外する。また、「孝之も逃げたことがある」などという根幹ではなく一時的な展開部分をピックアップして全体がそうだと誤認させるような言い分も却下する)