言壺 神林長平

ワーカムと呼ばれる文章作成マシンが普及した世界での、時代や立場の違う主人公を描くオムニバス。
ワーカムによってあらゆる文章が“正しく”修正され、“間違った”文章は存在できない。
そこから「言葉とは何なのか」が浮き彫りにされてくる。

ワーカムは入力された文章を「正しく」修正しようとする。ワーカムに認められない「正しくない」文章は記録されない。
自らが表現したい文章をなんとかワーカムに認めさせるため苦心する作家の努力から、やがて焦点は文章と人間の認識の関係へと移っていく。


とある章では、言葉とは文字や音声よりも前から存在していたという概念が描かれる。
文字や会話はそれが形を変えて表出したという、作品中では単に言葉と呼ばれているが、言い換えれば言葉の素となる「言素(げんそ)」とでもいうべきものがあるというのは面白い。

 

 

 

「実は飛行機が何故飛ぶのか解っていない」というデマ

「実は飛行機が何故飛ぶのか解っていない」というデマを信じてしまっている人をネットでもよく見かける。
このデマには2つの側面がある。
記述のトリックと読む側の心理である。

まず記述トリックから。
まあトリックと言っても大した事はなく、単に「どの部分を指しているのかはっきりさせない」ことで、読む側が勝手に解釈してしまうということだ。
飛行機が飛ぶ仕組みとしては航空力学が代表的なものであるが、これは完全に理論として確立されている。
また航空力学を考える上で基礎となる流体力学(空気力学)もあるがこれも同様である。
では「実は飛行機が何故飛ぶのか解っていない」が完全に嘘かと言われれば、それがどの部分を指しているのか明記していないせいで、論理的に考える人であるほど完全に嘘とは言い切れなくなってしまう。
空気は分子の集合である。その分子は原子からなり、原子は素粒子からなり、素粒子は何からできているかいくつかの仮説がある。
つまりそこまで分解することで「空気について根本は解っていない」ことになり、空気力学や航空力学も解っていないとも言える。
重力の根本が解明できていないことから、重力によって車輪が地面に接地してることで走れる自動車を「人類は、何故自動車が走れるのか解っていない」と言えるのと同じである。

次に読む側の心理について。
多くの人は、自分が解らない事柄があった場合、周りの人間も同様に解らないという状態で安心するという心理がある。
学校のテストで解らない問題があった際に、テスト後に級友も解らなかったという話をしたら「やっぱりそうだよね!」と安心するアレである。
だから、自分が「航空力学とか解らないから飛行機が何故飛ぶのか知らない」ときに、
「実は皆解ってない」と聞かされたら、深く考える前に安心感から信じてしまう人が出てくるのである。

この2つの要素(2段階の要素)によって、自分自身にとって心地よい情報が出た際に「いやちょっと待てよ」と立ち止まって深く考えることができないタイプの人々がこぞって拡散しているのである。
イデオロギーが絡んでいないだけで、SNSで多く見かける「自分たちのグループに有利な情報は精査せずに拡散している」人たちと性質はかわらない。

 

Mariya Takeuchi - Plastic Love (Night Tempo 100% Pure Remastered)

5年前に別チャンネルで公開されていたトラックが、Night Tempoチャンネルで再公開された。

竹内まりやのプラスティックラブのREMIX。

 

Mariya Takeuchi - Plastic Love (Night Tempo 100% Pure Remastered)

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地球の放課後/吉富昭仁

チャンピオンRED 全6巻

 

“ファントム”という謎の存在に人間が消されていった世界。
少年と3人の少女、たった4人の生存者の、「まるで放課後みたい」という感覚の悲壮感を感じないサバイバル生活。

 

終末世界でのまったりサバイバルを描きつつ、端々にかつて生存していた人達が記録した映像や生活の跡などの形で、人類消失の様を見せ付ける。
作品としてはそのまま「終わらない毎日」を描くだけに終始しても近年ではよくあるパターンとして楽しめるものだったが、素晴らしい伏線回収と大団円を見せてくれた。
結末としては、人類は消えたり移動したのではなく「先に進んだ」のであり、正史が何度も言う「消えた人たちもきっと戻ってくる」というのが読者をミスリードに導く引っ掛けであった。


正志たち4人は、消えた人が戻ってくるのを待つのではなく「置いていかれていた」ので、「追いかける」ことが解決となるのである。
全てを明かした後、将来に問題を残さないため消えようとする未来の4人を正志が身体を張って止める結末は、ともすれば犠牲の上にたどり着く苦さを含んだハッピーエンドでも作品としては充分なレベルだったのだが、犠牲の上に築かれた幸せではない心からのハッピーエンドで安らかな読後感を与えてくれた。

 

1クールのアニメとして観てみたい。

 

【MAD AMV】 星のかけらが輝くように 溶けた心は離れない 【君が望む永遠 Rumbling hearts】

アイドルマスターのカバー

『星のかけらを探しに行こうagain』菊池真、如月千早、四条貴音

オリジナルの

『星のかけらを探しに行こうagain』福耳

のMIX

 

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