賭ケグルイ(アニメ1期)
主に鈴井の目線で物語は語られていく、物語は蛇喰夢子を中心として廻っていく。
物語としてはそれなりに見かけられる手法で、アニメでは「涼宮ハルヒの憂鬱」などがメジャーだろう。
しかしこの手法の悪い点が出てしまったのか、夢子のバックボーンや入校の目的が不明のまま1期は終了してしまった。
生徒会長を始めとして生徒会の面々は個性的で魅力的だ。
単純なギャンブルの腕前勝負だけではなく、イカサマを見破りながらもそれをどう扱うのかや、
ギャンブルの駆け引きではなく単に負けて自滅することを求める相手を心底軽蔑する態度を取るなど、
バリエーションに富んでいて飽きさせない。
ただ、夢子と同様に生徒会長の意図は一期終了しても不明のままだった。
しかしこれは2期へのフックとしてならばありなのだろう。
だが、このアニメの最大の特徴が何かと問われれば、「変顔」と言わざるを得ない。
School Days(スクールデイズ) アニメ版
「誠4ね」や「Nice Boat」のミームが有名な深夜アニメで、原作はPCのR18ゲーム。
最終話のショッキングシーンはネットで拡散していた動画で見かけていたが、通しで視聴したのは初。
主人公の誠がヘイトを集めるのも仕方ないと思える、清々しいほどのクズっぷり。
誠自身が原因の問題も多いし、ヒロインなど他人が発端の問題も誠が絡むことで最悪の事態へと転がっていくのは見事としか言いようが無い。
なのでこの作品で主人公に感情移入できる人間はほとんどいないだろう。
だが、それをもって駄作や失敗作と評価できないのが面白い。
誠ではなく、世界や言葉や他のサブヒロインなどの視点で見た場合、誠という災厄に見まわれた悲劇として心を揺さぶられる。
最終回では、ここまで追い詰められた世界と言葉の心情に感情移入してしまって、バイオレンスなシーンなのに涙があふれてきた。
余談
「エロゲ三大クズ」などで、この誠と「君が望む永遠」の孝之があげられているが、それは人間の心理を理解できず、ヒロインが不幸になっているという表層でしか判断できてない浅い考えだと言わざるを得ない。
誠の行動原理は”少しでも面倒だと感じたら、楽なほう・気持ちいいほうにすぐに逃げ込み、相手がどうなろうと無視”というもので、孝之は”相手を思いやりすぎてどうしていいか解らなくなり動けなくなる”という正反対の気持ちからの行動である。
(あくまでメインルートでの話であり、バッドエンドやサブキャラルートでの強引な展開は除外する。また、「孝之も逃げたことがある」などという根幹ではなく一時的な展開部分をピックアップして全体がそうだと誤認させるような言い分も却下する)